|
p-53のpはプロテインのp, 53は分子量でアミノ酸393個が構成する低分子蛋白質です。p-53は細胞周期に関与するといわれており、がん細胞が発生すると最高60倍近く細胞周期を遅らせて、損傷遺伝子の修復やアポトーシスの導入を試みます。がん遺伝子(オンコジーン)をもつ細胞は、ウイルスやカルチノーゲンと呼ばれるがん発現物質(ニコチン、アブラトキシン、紫外線、ダイオキシン等々)により変異(mutation)をひきおきします。そのとき、がん抑制遺伝子がこの変異を抑え修復をします。その中心的な働きをするのがp-53遺伝子、と考えられています。
がんの発現には複数の遺伝子が関与していることが最新の研究でしだいにわかってきました。しかもがんの種類や病期によっても関与する遺伝子が異なる可能性も示唆されています。このp-53という遺伝子および蛋白質は理論的にあらゆるがんにもどのような病期にも有効な万能のくすりです。問題はどうやってがん細胞にこの万能の蛋白質を到達させるか、という問題ですが、最新の遺伝子工学はあるベクター(運び屋)をつけることによってこの問題を解決しました。日本ではまだ承認されていませんが外国ではがんの遺伝子治療の中心的薬剤になっています。実際には週一回程度、局所注射として治療します。
|